第2回定例会報告③ 一般質問から
令和3年第2回定例会中、一般質問の内容を引き続き報告します。
今回はデジタル改革関連6法に伴う、個人情報保護についてを取り上げました。
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律は5月成立しました。これまで、国の行政機関個人情報保護法とは別に、各地方公共団体は個人情報保護条例によって、国から独立し、慎重に運用してきました。今後、個人情報保護が国の法律に一本化されます。昨年12月の個人情報保護制度の見直しに関する最終報告では、個人情報保護とデータ流通の両立を図るとしていますが、個人情報から個人の識別を除外し、匿名加工して、経済的利益を目的としています。現在、自治体では個人情報の収集にあたっては、それぞれ目的を限定し、目的外の利用・提供を制限しています。個人情報保護3法が統合され、自治体の個人情報保護制度について、全国的な共通ルールが規定され、国の制度に一元化されることにより、個人の様々なデータを容易に寄せることが可能になり、個人情報の扱われ方が把握できないなどの懸念があります。そもそも自治体では個人情報は、本人の同意に基づいて集める直接収集主義が原則ですが、改正された個人情報保護法では、本人からの直接収集を原則にしていません。また本市においては逗子市個人情報保護条例第6条において、人種、思想信条、犯罪歴、社会的差別の原因となる社会的身分などについて、審議会に諮り、正当な事務のために必要がある場合でなければ取り扱いは許されない情報として規定されています。今後の統一化において、人種、信条、病歴、犯歴などの要配慮者個人情報については取り扱い禁止の規定はなく、審議会の関与がなくなります。質問は、国の統一化の影響で、本市においては、これまでの審議会の機能が維持できるのかを質問しました。行政の答弁は、国から地方自治体への法に関するガイドラインがまだ示されていない。条例の裁量の範囲内において、現状の審議会の機能は維持していきたいとのことでした。また、本人開示請求や訂正請求、利用停止請求、審査請求の手続きはこれまで通り自治体が行うことになっており、現在、本人開示請求は手数料を徴収していません。今後は自治体の条例で定めなければ有料化が予想されている。本市において有料化を検討されるのかを質しました。これに対する答弁は、市の条例で、手数料無償が認められるのであれば、引き続き、無償にしたいとのことでした。
デジタル改革関連法は、個人情報保護の在り方が地方分権の後退とも取れる観点が浮かぶ上がってきます。市としては、現状の個人情報の在り方を極力維持していきたいとも取れる答弁でしたが、今後は国の示すガイドラインに注視していく必要があります。本人開示請求は自己を知る権利につながっています。知る権利は、基本的人権でもあり、基本的人権は人が生まれながらにして備え持つ権利です。その権利を有料化によって、行使するとはナンセンスな話なのです。無償であるべきものなのです。