県立特別支援学校の高等部の朝のスクールバス乗車が開始

これまで県内の特別支援学校の知的部門(知的障がいのある児童)の高等部では、登下校時のスクールバスにほとんどの学校が乗車することができませんでした。(乗車が認められていたのは25校のうち2校だけ)

養護学校でも義務教育である小・中学の間は登下校共に、スクールバスの乗車が出来るのですが、高等部の知的障がい児は、自立と社会参加を名目にスクールバスには乗れませんでした。公共交通機関での利用か、親の送迎、または移動支援サービスを使って事業者が学校に送迎を行っていました。しかし、実際に、知的に遅れのある児童が高等部になって、卒業までに自立登下校できるケースはほとんどありません。送迎も自宅から学校までの距離が20キロ以上と遠方であったり、乗り換えや、バスと電車での乗り継ぎが多く、片道1時間半近くかかるケースなどは全く考慮されておらず、一律に高等部になったから、スクールバス乗車を断ち切られているような状況では本人の自立と社会参加は教育委員会がスクールバスに乗せないための言い訳のようなものでした。

何十年と、毎年欠かさず県知的養護学校PTA連合会から県の教育委員会へ、高等部のスクールバス便の乗車を求め、要望書が上がっており、対する回答がされていましたが、予算措置等の理由に見過ごされていました。

昨年は県議会へ改善を求める陳情が提出され、了承の採択はされませんでしたが、継続審議となりました。また県議会からは神奈川ネットの佐々木県議が一般質問で取り上げるなど実績を重ね、今年9月の第1週より登校便のみ高等部でも、スクールバスが県内の養護学校全校で乗車できるようになりました。

特別支援学校に通う子どものいる家庭の事情は様々です。一人親等で主たる生計者であるため、送迎をしつつ絶対に働かなければならない、近くに送迎を担ってくれる事業者がいない、本人の障がいの程度がかなり重く、自立登下校するには学校までの距離では訓練のハードルが現実的でないなど、高等部になっても継続してスクールバスの乗車できることが、PTAの中での要望では最も高い優先事項でした。

養護学校の児童の自立登下校の訓練はもちろん大切ですが、現実的にはその時々の挑戦できるスキルと、ステップが考慮されるべきものです。登校時だけでも保護者の送迎の負担軽減に、大きな成果はありましたが、まだ下校便には乗車ができない学校がほとんどで、そのため放課後等デイサービスを利用する保護者があとを絶ちません。本来の利用目的ではなく、下校の迎えが出来ないから送迎付きのサービスを利用するといった現象が出ており、そのため教員4,5人が大量のデイサービス送迎者の車両の誘導整理を毎日行っています。登下校時の各1時間程度、毎日の車両誘導は特別支援学校で働く教員の業務なのか、本来の仕事は他にあるのではないか?など課題はまだ残っています。

学校現場の状況を確かめ、PTAはじめ声を聞く、そうした行政の姿勢が求められています。