戦後75年の夏 あらためて憲法尊重擁護義務を

終戦から75年、4分の3世紀が経ちました。核兵器廃絶の流れをみれば、中距離核戦略(INF)の条約破棄など落胆を禁じ得ないものがあります。殊に日本が核兵器禁止条約に変わらず批准していないことは、日本が国際社会に期待されるべき立場と逆行し、失望の念を抱きます。

戦後生まれが86%を超える終戦後の今、年々防衛予算が膨張している状況があります。さらに戦後一貫して憲法擁護の立場を貫く義務のあるはずの政治家が憲法第9条の改正を発言することは、極めて遺憾であって、断固として阻止しなければなりません。

憲法改正は第96条に、その手続きとして、各議員の総議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を得ることが定められており、この承認は満18歳以上の日本国民が投票権を有し、賛成の投票数が投票総数の過半数を超えた場合に国民の承認があったものとなります。しかし、安倍政権ではこの要件をなんとか満たして、改正に踏み切りたいとする意欲を示しますが、そもそも、日本国憲法は硬性憲法という、法律の改正手続きよりも厳格な手続きでなければ改正できないことを明らかにしたものと理解するべきなのです。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義と3つの骨格を変容してしまえば、それは日本国憲法ではありません。この3原則を変えることは許されないのが、日本国憲法だと言えます。

さらに、憲法第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。と憲法尊重擁護義務を定めています。これに国民が含まれていないのは、憲法が徹底した相対主義を採用しており、国民に憲法の価値観を強制していないことを示し、国民が行政立法司法の権力と向き合い、その義務を果たす立場の人物を明確に位置付けています。

その上で憲法前文の最後の一文に、日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。 と高らかに平和主義と世界に示すべく国民姿勢を、宣言しているのです。これからも政治道徳の普遍性を貫くことに希望をもって進んでいきたいと考えます。