移住促進政策、補助金頼みなゆえに陥りがちな盲点

本市の人口は、自然減(いわゆる亡くなっていく人の数)が年間約300人ほどです。それに対し、市へ移住してくる人の数が市外へ移住していく人の数より多ければ社会増となります。この社会増は過去5年で年間平均117人程です。自然減と社会増の差が縮小できれば、人口維持に近づくことが出来ますし、市は財政運営の安定化を期待できます。

第2回定例会において、私の一般質問で、移住促進政策について補正予算の取り組みにおいて質疑しました。(補正予算は全会一致で可決)今回、地方創生の財団の補助金申請で交付決定となり、移住促進政策の規模となる歳出額は200万円ですが、この事業における補助金は全額の200万円の歳入となっています。そこで事業の実施をすることはもちろん良いのですが、市の懐は痛まない故に陥りがちな問題点を取り上げ、その対処について、質しました。

まず補助金の事業、特に地方創生メニューはこれまでも夜の海岸でライトアップをするナイトウェーブなど行ってきました。この手の事業は実に、ブランディング、市の知名度が上がったような感覚的なもので実際にどのような効果があったか、効果検証が曖昧になる傾向が強いのです。そこで、移住促進事業であれば、どのくらい転入超過数(市へ転入する人の数-転出する人の数)を数値目標とするのかという質問をしました。具体的な数値による効果検証は難しいとの答弁でした。しかし、それでは事業をこれからも実施していく価値があるのか、または効果がないので、違った方向性で検討するなどの、結果から導く方向性が不透明となります。本市は転入と転出の際に戸籍住民課でその理由についてアンケート調査を行っているので、このアンケートの質問項目において、本市を知ったきっかけや移住を決めた理由について明確な問いを盛り込めば、事業の実施効果を検証できるのではないかと提案しました。200万の事業規模であれば、5年くらいのスパンで効果を検証し、現在よりさらに10世帯の転入増加数が見込めなければ、事業効果がないといえると思います。というのは、本市の世帯の市民税収は平均約20万円なので、事業規模による損益分岐点は簡単に割り出せるからです。

どの自治体もまちひとしごと総合戦略によって、人口目標数を定めています。本市の転入数の目標数値は5年で1000人です。しかし、現状は厳しく2014年から5年間で694人でした。アフターコロナによるニューノーマルな働き方が定着する機会となれば、本市のような首都圏ベッドタウンにとっては移住促進の好機となるでしょう。現実的な数値目標としては5年で現在の1.1倍から1.2倍の800人程度ではないかと考えます。

それでも、否が応でも自然減はありますから、5年で1500人ほどの自然減に対し、社会増をいかに目標数値として設定するか、考える指針になると同時に、いかに全国規模で人口減少社会の渦中にいるか実感しやすい事例と言えます。