障がい福祉計画 地域移行へあるべき道のり

行政計画の中において、障がい福祉の向上を推し進めるために障がい福祉計画があります。

この計画はどの自治体にもありますが、逗子市では期間6年、現在第5期障がい福祉計画を策定しており、第6期の計画案策定にむけて当事者、家族等にアンケート調査を行っています。その中で、私が注視しているのが、地域移行です。地域移行とは国の基本指針で表明されており、障がい者が地域で暮らし続けるための共生社会を目指すものです。ある日突然、障がいのある人を残して一緒に暮らしていた家族が亡くなるなどの理由で、遠く離れた暮らしたこともない土地柄での生活をすることがあるので、地域移行の政策的な動きは理想的な姿であると考えます。しかし、そこに国から数値目標を掲げられ、施設から地域へと施設での入所者数を数値目標を掲げ削減するような地域移行は、果たして障がい福祉が向上するプロセスでしょうか?国は施設入所者の高齢化、重度化を踏まえ、平成28年度末時点における施設入所者数の9%を令和2年度までに地域生活へ移行するとともに、令和2年度末時点における施設入所者を平成28年度末から2%以上削減することを基本とする指針を掲げています。

現実問題として障がいのある人を支える地域や家族の立場において、何等かの事情があって、施設での暮らしを余儀なくされている背景は少なからずあるはずです。本人の希望を前提とはするものの、実態として浮かび上がる調査を実施した数値なく、高齢化、重度化により入院や入所数を削減するとの指針は、公的責任の後退となります。特に神奈川県は全国一障がい者に対して、施設入所者数が少ないのです。まず、地域移行を掲げるのであれば、同時並行で進めるべき政策と予算配分が必要です。地域での見守り体制や障がいのある人が介助者との暮らしを可能とする賃貸住宅や人材の確保、緊急体制や施設から移行するにあたって、日中活動の場は欠かせない重要な政策となるはずです。本人の意向や支援政策、予算をおきざりに、理想をスローガンのように掲げ強制的に地域移行への道のりを歩むのであれば、障がいのある人に身体リスクを伴わせ、地域社会とのトラブル、最後にはマイノリティへの偏見を生じさせる結果となるおそれがあります。

県が定める障害福祉圏域において地域生活支援拠点が設置されます。これは実際に障がいのある人が生活する拠点という意味ではなく、相談や地域の体制づくりなど地域移行に伴う機能の拠点とされています。地域生活支援拠点に何を求めるかは市町村の判断とされており、同時並行で地域移行の具体的な政策が進行するのか、障がい福祉計画中の具体的な取り組みが記されていることが必須の課題となります。