税負担の公平性を考える ふるさと納税から

令和元年第4回定例会、私の一般質問の中で、ふるさと納税について取り上げました。

平成30年度では、市民の方が他市町村へふるさと納税をしている額は1億円以上に上ります。それゆえ、逗子市ではなんとか流出する税の減少を図るために、ふるさと納税の返礼品として電子感謝券を発行するなどの施策を打ち出しています。私は、そもそもなぜ、ふるさと納税が寄付金税制となったのか、ここに焦点を絞り、そこから議論の余地があることを指摘しました。そして、かねてより提言している別荘等所有税の導入が進まない理由について具体的に質しました。

行政から、別荘等所有税の導入が困難な事由について3点、答弁がありました。

①課税客体(課税の対象物件)の把握の問題②納税義務者の特定③法定外普通税を導入する上での定義づけ が課題となり、導入が難しいとのことです。

まず、①の課税客体の把握については、つまり別荘なのか空き家なのか判断が難しいということです。これは住民票のない方で他市在住の方が所有している物件ということで、同一視すればよいことだと考えます。

②の納税義務者の特定 ですが、別荘であれば、兄弟などで共同所有することがあり、滞納や納税通知を誰を対象とするかといった問題があるということです。それほど困難な理由とは思えません。

③の法定外普通税の導入する上での定義づけ この答弁について、少し詳しく述べることとします。

住民税とは自治体の中で居住していることを条件とする税であり、つまり会費として、税の義務が発生するのですが、住民でない方に負担をしていただくには、それなりの定義、つまり義務負担の理由づけが必要ということです。原則的には、住民が住民税を負担する、これは受益と負担の原則で、財政需要を住民が分任する負担分任原則があり、税の定義の考え方から法定外普通税はこの原則に違反するのではないか という説明です。

では別の視点から、ふるさと納税とはどういう税かを考えてみます。故郷に思い入れがある、または故郷に家を残しているが都会で納税世代が流出するなどの事情を考慮し、その負担を税制度の枠組みで義務付ける定義が困難であったから、寄附という任意の形をとったというのが、そもそものふるさと納税の導入の経緯です。ではこのふるさと納税が結果的にそうなったかは、疑問が残ります。住民は特にインフラ整備に借入金も含め膨大なコストを負担します。住民登録がないからといって空き家や別荘の所有者の、ごみ焼却施設、道路、橋梁、時に救急車などの負担を固定資産税のみで賄いきれるものなのか、議論の焦点だと思います。熱海市が導入している別荘等所有税の様に1戸あたり平均年6万円程度の税であれば、税の公平性からみても、住民と住民以外の方の税負担の公平性に許容範囲内であり、新たな税の導入を検討できる範疇にあると提言しました。

いずれにしても、別荘等所有税の導入の定義付けに課題があって、ふるさと納税の任意の寄附制度が誕生したことは関連があるはずです。寄附制度にしたものの、結果的に、ふるさと納税は返礼品合戦のインターネット通販市場となっています。国は本来の税のあり方とかけ離れた現状を真摯に受け止め、公平な税制度へと、ふるさと納税の総点検をすべきなのです。