香害 香り、誰にとっても良いニオイとはならない現実

香りの害と書いて香害(こうがい)と読みます。パソコンやスマホなどの文字変換を打っても現在では即座に変換はしません。しかし、この数年、ニオイが基になっている健康被害報告があります。洗剤や柔軟剤、消臭剤などの香りをきっかけに体調不良が起こり、生活を脅かされることがあるのです。国内の香粧品香料の国内生産分の金額は202億円となっており、2010年代から、柔軟剤メーカー同士の競争が激化し、この18年間で販売量と販売金額は2倍に増えました。現在では、香料成分については企業秘密となっていますが、残香を強くするための技術が応用されており(マイクロカプセルの使用)、強い香りに長時間囲まれる環境にいるのです。

柔軟剤市場において、2012年頃から香りブームが加速したことで、国民生活センターに対し、「他人が使用した柔軟仕上げ剤のニオイで頭痛や吐き気がする」といった相談が急増しました。同センターへの相談をまとめているPIO-NET(パイオネット=全国消費生活情報ネットワーク)の状況を調査したところ、本市からの相談は上がっていないものの、県内でも多数の香りによる体調不良を訴える相談が寄せられています。

国の動きを待てないかのように、自治体で動いた例があります。香害について、川崎市や大和市が人工的な香料によって、化学物質過敏症を引き起こす方がいることへの周知ポスターを作成しています。行政への取り組みは今後注視していく必要があります。

学校や電車などの公共の場、至る場所で香料の苦痛を感じている人がいます。給食の白衣で頭痛がする、近年の空調設備工事が整うことに伴い、柔軟剤香料が教室内で蔓延してしまう環境になったことで、教室に入れない事例などが報告されています。誰もが加害者にも被害者にもなりうる社会的な状況があります。神奈川ネットでは昨年に引き続き、香害による被害対策のためのプロジェクトを立ち上げました。

知らされない人口香料とは何か、成分表示の義務付けの必要性、被害に苦しむ中、社会的になかなか理解されにくいことへの配慮、消費者生活センターの相談窓口の強化など、具体的な取り組みを政策提案していきます。

 

参考文献:柔軟剤・消臭剤による痛みと哀しみ マイクロカプセル香害 古庄弘枝著 ジャパンマシニスト社