失望を禁じ得ない辺野古基地 埋め立て承認撤回の高裁判決

10月23日、名護市辺野古への基地移設を巡り、沖縄県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求め、沖縄県が国を相手に提起した「関与取り消し訴訟」の判決が、言い渡され、福岡高等裁判所は、県の請求を却下しました。この裁判は、県は、行政不服審査法を利用できない「固有の資格」を有する沖縄防衛局の請求を認めた国交相の裁決には「成立の瑕疵」があると主張し、違法な裁決は取り消されるべきだと主張。反対に、国は裁決は適法か違法かに関わらず「国の関与」に当たらないなどとして、県の請求は却下するべきだと訴えたものです。この裁判で、行政不服審査法を利用したことについては、法的には一般私人と同じ立場で埋め立て承認の撤回を受けたとして、適法性を主張し、結果、裁判判決は沖縄県の主張を退け、国の主張を全面的に認める結果となりました。こうした基地建設問題が、池子米軍住宅建設反対の民意を蔑ろにし、強行な基地施設建設に至った数十年前から一向に変わらず、この国の米軍追従の政治に加え、国にさらに追従する司法には、失望と落胆を禁じ得ず、憤るより他ありません。

今回国が利用した行政不服審査法は、そもそも国民が国の処分に不服を申し立てるものであって、玉城県知事が意見陳述したとおり、国が私人として利用できるものではないはずです。行政不服審査法第1条に、法の目的がはっきり示されています。

第1条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が迅速かつ公正な手続きの下で、広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

つまり、国民が権利利益を侵害された場合の簡易迅速な権利救済、さらに行政の適正な運営を確保することを目的とした制度です。沖縄県の主張する防衛省が申立て、国土交通省が裁決する、この不合理な判決は、「国交相が内閣の一員だからといってただちに審査庁の立場を放棄していたということはできず、その権限・立場を著しく濫用したとは認められない」としました。何とでも言い訳や言い草を取って付け、初めから辺野古基地建設一辺倒の推進をし、7割の県民投票の民意に蓋をしている現実は、内閣の中において、中立的な判断などあり得ない。県の主張は誰がどう見ても、そのまま肯定できるものだと考えます。