病院誘致について 住み慣れた地域で最期を迎える医療とは

2018年3月10日 21時45分 | カテゴリー: 活動報告

 平成30年第1回定例会において、総合的病院の更なる病床数の確保を県に求める意見書案が提出されましたが、私は反対の立場としました。総合的病院誘致の土地は22330平米あり、住宅地として公示価格で概算すると30億ほどの資産価値があります。仮に本市が更なる財政難を迎えた場合、土地の売却や賃貸借をすれば、財政的な困難を乗り切る打開策としては有効に寄与するはずです。さらに市の収入である歳入増としても大きく機能します。総合的病院用地を無償貸与を条件とし、医療法人葵会が決定しましたが、現状、確保できた病床数は109床です。
 超高齢化社会を迎え、団塊の世代が75歳以上となる2025年が間近に迫る中、私たちの町はどのような医療体制が望ましいのか、そこから出発する必要があります。多くの高齢者ができる限り自立した状態で住み慣れた自宅で過ごし、自宅で最期の時を迎えたいと考えていると思います。日本の医療体制は、まだまだ在宅での治療が出来ない、退院後にケアをしてくれる人がいない、家族に負担をかけたくないという社会的入院が多くを占めているのではないでしょうか?その意味において、病床200床以上を条件とする地域医療支援病院の果たす役割は多く、決して総合的病院の意義を否定することはできません。
 しかしながら、総合的病院がないから、200床に満たないからといって地域医療は崩壊し、医療難民が溢れてしまうといった発想には直結しないと思います。私は本市の規模や地域の特性を鑑みれば、在宅療養支援という選択もあるのではないかと考えています。在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所は、患者が住み慣れた地域で安心して療養生活を過ごせるよう、患家の求めに応じ24時間往診が可能な体制を確保し、訪問看護ステーションとの連携により24時間訪問看護の提供を確保する医療体制です。緊急時に在宅で療養を行なっている患者が直ちに入院できるなど、必要に応じた医療・看護を提供できる200床未満の病院や診療所が指定を受けます。こうしたできる限り在宅で、医療や介護がいつでも安心して受け続けられる環境を整える先進自治体を目指す、本市の規模には適切な医療ではないかと考えます。
 人口5万7千人の自治体の規模は決して大きな自治体ではないのです。さらに、住宅都市である本市は法人税収入がほとんどなく、高齢化に伴い確実に財政は悪化していきます。将来的な財政と医療と地域の暮らしを総合的に判断したまちづくりが求められている中、ただやみくもに総合的病院の規模を大きく求めることが適当かどうか、市民の判断が求められています。