やまゆり園事件から1年半 障がい福祉と共生型社会について

2018年1月28日 19時34分 | カテゴリー: 活動報告

神奈川県相模原市で起きたやまゆり園事件から1年半が経ちました。障がい福祉の現場から社会の世相に大きな影を残したこの事件ですが、障がい福祉の今後はどうなっていくのでしょうか。
前にも書きましたが、国は地域福祉の今後を「我が事・丸ごと地域共生社会」の実現を掲げ、厚労省に実現本部を設置しています。高齢者福祉・児童福祉・障がい福祉・生活保護や生活困窮者を含む社会福祉を、これまでの縦割り型から一括して地域社会が丸ごと、我が事として、課題解決することを目的としています。少子高齢化と社会保障費の限界ある将来において、地域住民の助け合いは重要な役割を果たすのは確かですが、共生社会の名の下の法改正は、その中身がほとんどわからず乱暴な法改正になっています。
地域共生社会を目指す動きの第一弾として、2017年5月「地域包括ケアシステム強化法案」が衆議院・参議院共に可決されました。この法案は介護保険法の見直しを改正するとしながら、実際は31の法律を改正する一括法案でした。参考人質疑には、障害分野から招致がされていないなど、審議の内容は充分とは思えません。特に共生型サービスの創設として介護保険と障害福祉のサービス統合は、人材効率性と市場性を目的としており、専門性の低下、障がい児者福祉に応益負担の仕組みが持ち込まれるといった不安の声があがっています。

我が事・丸ごとの本質がどこにあるのでしょうか。その中身は互助の強制的な制度としての位置づけ、自治体と地域住民による解決に委ねるものであるならば、善意としての助け合いは成り立たたなくなります。障がい児者をやまゆり園事件のように「社会の重荷」といった偏見が生じかねません。共生社会と称した理念のひずみを見逃さず、当事者の声が反映された地域福祉の的確さが欠かせません。