臨時財政対策債 債務は自治体、交付金機能を果たすのか?

2017年7月23日 18時36分 | カテゴリー: 活動報告

逗子市が緊急財政対策本部の設置に至ったことは前々回の投稿で示し、依存財源という国からの交付金等による依存率が4割である旨、言及しました。

自治体の財源として、国から交付される地方交付税の他に、臨時財政対策債があります。国にとっては地方に渡す交付税という現金の穴埋めともいえるもので、自治体による借金の発行を認め、その借金を後払いで交付金によって返すという何とも奇妙な措置を行っています。これはもともと、地方交付税の原資を国債で賄っていて、地方交付税のための国債残高が50兆円を超えたため、見直しの必要から2001年に開始されました。地方への財源不足分を地方公共団体の借入として国が貸し、実質的には10年の償還で国が返すという仕組みです。国が地方に対し自ら借金し、現金払いしてきたものを、国が地方の借金として、後払いで清算できる分だけしているというものです。

当初3年の臨時措置として導入されましたが、現在まで延長されています。地方自治体は財源不足を交付金だけでは補うことができず、発行せざるを得ない状況ですが、地方債ですから地方の借入金であることは否定できません。導入当初の本市の臨時財政対策債は2億6千万、現在では年約10億となっています。それに伴い、臨時財政対策債の残高は10年前(2008年)で43億円でしたが、現在は94億とわずか10年で雪だるま式に倍増しました。問題は、この借入金残高が年々増え続けていることに加え、国の債務保証が永年継続し、返済金を償還できるのか甚だ疑問があるということです。そして、返済に充てられる地方交付税交付金も臨時財政対策債も国の時々の財政状況に左右されるので、要望すれば必ず降りてくるものでは当然のことながらありません。(本市のこのたびの緊急財政対策本部の設置は交付金や臨財債等が2億減額した財源不足に起因します)

国の財務状況は国家財政の半分を借金して賄うという構造をこの間変えられていません。こうした状況で国が債務保証をするものと全面的な信用を持ち続けることは危惧があり、不確実な国と地方の借入金制度を廃止し、地方交付税の比率引き上げによる制度改正が本来望ましいはずです。近年、地方交付金と臨時財政対策債の比率は本市の場合6:4くらいを推移しています。地方に配分する現金の半分近くを借入金という一時しのぎ、返済額を見通せずに継続することは、国の財政破綻という揺らいだ船に地方自治体が同時に乗り込むような危険を感じてなりません。