地域包括ケアシステムの構築は、何を目指すべきべきなのか 29年第1回定例会から

2017年3月11日 12時52分 | カテゴリー: 活動報告

3月8日(木)定例会中、予算総括質疑が行われました。私の質問は①歳入構造の安定化における株式等譲渡所得割交付金について ②介護予防・生活体制支援整備事業について です。

代表質問でも地域包括ケアシステムの構築については、質疑したのでここでまとめて、予算特別委員会と伏せ、新年度から始まる介護保険制度の改正を踏まえた質問内容を報告します。

4月から介護予防・通所・訪問介護が地域支援事業に移行し、市町村独自の保険制度としてスタートします。地域福祉の在り方が自治体独自に展開していくことになる大きな制度の転換期となることを象徴しています。このたびの改正は、これまで介護保険制度下にあった要支援1・2の方の認定を自治体の窓口などで基本チェックリストによって、サービスを受ける人に該当するか、判断することになります。基本チェックリストは認知機能については3つの質問項目しかありません。また回答する方によって、判定に差がでたり、実態に即さない結果となることも懸念されます。質問は、基本チェックリストは手を加え、独自に慎重な質問形式にすべきではないかというものです。答弁は国が一律に基本チェックリストを使用するよう指導してきているので、これを採用し、他に、訪問などでサービスの低下につながらないよう対応するとのことでした。確かに自治体間格差が生じることは懸念されますが、それならなぜ、国は介護保険制度下においたままにせず、市町村事業にするのか疑問です。地域の実態に合わせ、他機関との連携によってサービス漏れのない慎重な運用を求めました。

もう1点は、市長の施政方針でも述べられた、地域包括ケアシステムの構築についてです。新年度の重要課題として総合計画基本構想を実現するための柱である「共に生き、心豊かに暮らせるふれあいのまち」の実現のための施策とされています。総合計画では、「地域での温かいふれあいの中で多様な人材がつながり、互いに見守り支え合う顔のみえるまちとなることが求められる」と説明しています。

ここで考えてみたいのは、これらの表現は隔靴掻痒であり、解釈の問題で今、そうなっていると受け取る人もいるはずです。では、これからはどうなるのか、何が変わるのか、ふれあいのまちにするためには何をしていかなければならないのでしょうか?その答えは、もし仮に「互いに見守れない、支い合わないまちになったらどうなるか」 という逆の発想から、導いてみたいと思います。高齢化のまちでは孤立死が頻発する のではないでしょうか? 私は代表質問で、地域包括ケアシステムおよび、地域福祉の到達点は、福祉の介入があれば防げる孤立死または餓死をなくす、それがゴールではないかと提言しました。福祉の手があれば、落とさずに済んだ命が実際にあるからです。

2012年に餓死・孤立死問題調査を実施した調査団の報告があります。2012年1月から4月まで全国で報道された餓死・孤立死12件を見ると、実は、1件だけが単独死でした。残りの11件は、みな家族共倒れなのです。そしてまた過半が障がい者とその親の死亡でした。ケアをしていた人が先に倒れて、ケアを受けていた残された家族が後を追うように亡くなってしまうのです。現在、地域包括支援センターは、地域ケア会議を行って、個々のケース会議を行っています。今後はさらに、リスク層に対する積極的なアプローチ策を具現化することが求められます。また、孤立死や餓死などに対応できる継続的な協議の場を設け、広くNPOや市民団体、法律家などの外部の多様な経験を有する人材を導入し、連携しながら取り組んでいくことが必要だと発言しました。

少子高齢化によって、もっとも深刻な問題は、支えが必要な人が増え続け、支えていけるのか、ということにつきます。その支えは、事業者だけが考えることでもなく、専門や特別な知識のある人だけでもなく、当事者の家族だけが負担するのとも違います。相手が誰であろうと、誰もが支え手になりうる、その意識を醸成することから始まるのだと考えます。