地域コミュニティの形成と住民自治の実践

2016年8月2日 15時53分 | カテゴリー: 活動報告

住民が暮らす地域には、自治会や町内会といった「地縁型」の組織と社会福祉協議会やNPOなどテーマ型組織があります。その垣根を超え、全国的に近年は「地域自治システム」が広がりを見せています。これは、阪神・淡路大震災を契機として、地域コミュニティや共助の大切さが見直され、防災・防犯、高齢者や子どもの見守り、住民全体の地区計画の策定といった活動が全国的に拡がってきたことによります。

本市にも小学校区を単位とする住民自治協議会が立ち上がり始め、4つのエリアで住民自治協議会、準備会が発足しました。地域の課題を地域コミュニティの中で解決する手段として、熱意ある住民の活動は、期待できるものです。認知症の方の徘徊を地域で安否確認を共有する方法を確立する、条例の基準に及ばない範囲の自然保護や子どもを犯罪から守る、養育的に困難のある家庭の子どもの居場所などが学校区にできる等、地域特有の課題解決として有効です。

しかしながら、本市のように人口6万人弱の人口規模の小さい自治体では、地域の課題に幅広く取り組んでいる自治会がすでにあり、せっかくの住民自治協議会を形成しても、二重行政的になってしまう懸念は生じます。また住民が自治会と住民自治協議会の相違の理解、協議会に所属する各団体の総意や共通の課題を汲み取れる枠組みとなるかといった問題、合意形成のしくみをどのように作るかにも協議会の意義そのものがかかってきます。この整理ができないと、協議会が上だの地縁団体が代表だのといった不毛な議論に陥り、加入団体が連携するための土台が築きにくくなるからです。

市の職員も配置している住民自治協議会ですので、過度に協議会まかせにせず、自主性を尊重しながらも民主的で透明性のある合意づくりを形成できるかは行政が主導し慎重にすすめる必要があります。先行して基本的な予算をつけることは行政運営上の仕組みである程度やむを得ないことですが、予算があるために、何をすべきかをあえて探すような運営は、人と時間の浪費になり本末転倒であることは言うまでもありません。