在宅に危機的 次期介護保険制度改定案

2016年6月5日 22時22分 | カテゴリー: 活動報告

消費税の増税が2019年10月まで2年半先送りされ、国は社会保障費の財源として1兆3000億円の財源が見込めなくなりました。安倍首相は、「増税した場合と同じことをすべて行うことはできない。と理解して頂きたい」と会見で述べました。

子ども子育て支援新制度の財源は、消費税の増税分から0.7兆円を見込み制度設計がされています。財源確保はアベノミクスの果実からとは、なんとも曖昧で無責任な説明に他なりません。

また予定されていた2017年4月からの増税を行ったとしても2017年度介護保険法改正で財務省が示した改革案には、要介護2まで市町村事業へ移行し、保険給付から外し生活支援サービスの自費負担など在宅で暮らす居宅サービスの利用者にとって危機的な改正案となっています。

神奈川ネットの介護保険プロジェクトの政策報告会では日本ケアマネジメント学会から服部万里子さんを迎え、すでに昨年度の改正で事業者の報酬は2.27%と9年ぶりのマイナス改正であり、訪問介護事業者の47.6%、通所介護(デイサービス)事業所の42.7%が赤字(いづれも日本政策金融公庫調査)とのデータが示されました。こうした実態は、今後、事業者の経営難によって、小規模事業者は撤退を余儀なくされ、軽度で在宅の高齢者が介護難民となる、一部の重度の介護認定者でなければ介護保険制度そのものが使えなくなる恐れがあります。同時に、介護の社会化は後退し、家族が負担を強いられ、介護離職者の増加に繋がるものです。

介護保険サービス利用者の6割が要支援から要介護2であり、74%は居宅でのサービスを利用している現状を踏まえても、制度本来の住み慣れた地域で暮らし、国民皆保険制度の趣旨である、保険料を払って何かの時には誰もが安心して利用できる制度にするために、現場の声を届けて行きます。