学校警察連携制度についての考察

2015年5月20日 20時33分 | カテゴリー: 活動報告

2月下旬に起こった、川崎市の中1男子生徒が殺害され、遺体を遺棄された痛ましい事件を受け、県内では、教育委員会と警察の協定を結ぶ学校警察連携制度が進んでいます。

県内33市町教育委員会のうち、逗子市、川崎市、藤沢市、葉山町、大磯町を除く28市町村教育委員会がすでに制度を導入しており、この制度の目的として、県を始め、協定締結している各市町村自治体では、学校と警察が相互に児童・生徒の個人情報を提供することで、緊密に連携し、指導に活用することによって非行・犯罪被害を防止し、児童の健全育成を目的とすることが掲げられています。

神奈川ネットでは、5/19(火)学校警察連携制度について、子どもの人権の視点から連携強化を考える緊急学習会を開催しました。各教育委員会は、締結にあたり協定書、ガイドライン、要領を作成していますが、個人情報保護の問題を筆頭に、この制度による行き過ぎた活用が懸念されています。生徒が信頼して学校に相談をしたにも関わらず、学校と警察が連携した結果、却って学校の信頼を損なうなど教育機能が低下する実例など、制度があるが為の行政責任の追及を気にし、本来の目的である子どもの更生意欲を摘み取る危険性も指摘されました。

子どもの犯罪が低年齢化、凶悪化またさらに携帯電話によるソーシャルネットワークの活用で広域化している現状から見れば、学校や福祉だけの領域では手遅れとなるケースがあることは確かです。学校と警察の連携がなければ児童の健全育成は不可能か、その判断や見極めは、学校と警察に委ねられています。児童にとって何が最善なのかケースバイケースで答えはありませんが、そうした時代背景に、制度には則っているものの、人権擁護の視点を超え、大らかであることが理想的な教育の現場が変容し、公権力の悪用につながるリスクは意識していかなければならないと考えます。

まずは、要保護児童対策地域協議会など既存の地域資源を活用する可能性を含め、様々な検証をしたうえで、実例を挙げながら考察を重ねていく必要があります。教育も福祉も時代に対応しながら、多くの現場の課題を乗り切りたいものです。